オーストラリアでABNで働くってなに?【申請前に知っておくべきこと】
ABNとは、Australian Business Number の略でオーストラリアで個人事業主として働く人に必要な登録番号のことです。
最近ではUber EatsのドライバーもこのABNを持って働いていることで知られています。あとはBuyma(バイマ)をやっている人も。
なので最近ワーホリメーカーや留学生の間でも ”ABN” という言葉が少し身近になっているかと思います。
今回はABNとは何か、持っていると何があるのか、など申請する前に知っておくといいことをご紹介します。
目次
ABNとはなにか
ABNとは、最初にも言った通り ”Australian Business Number” の略でオーストラリアで個人事業主として働く人に必要な登録番号のことです。
個人事業主とは?
会社員やアルバイトとして誰かに雇われて働くのではなく、例えば、「自分のお店をやっています」という人や、「独立してフリーランスで働くぞ!」という人たちのことです。
つまり自営業をやる人たちのことです。
ABNのいいところ
ガソリン代の税額控除の対象になる
これは特にUber・Uber Eatsドライバーにありがたい話しですね。Uberに限らず、ABNで働いていて車を業務で使っているみなさんは年間のガソリン代が年間$3,300まで経費として落とせるというわけです。ちゃんとレシート・領収書を取っておいてタックスリターンの時に申請しましょう。
取引先から源泉徴収税が引かれずに支払いをされる
ちょっと難しく聞こえますが、わかりやすく言うと、
なにか商品・サービスが売れた時、自分が会社員やアルバイトとしてその商品・サービスを売ったなら、売り上げから46.5%の源泉徴収税が引かれます。
しかし、ABNで働いていることによってそれはしなくていいですよとなるので、46.5%の源泉徴収税が引かれずに済むのです。
つまり売り上げた金額がほぼ全額自分に入るということです。
46.5%と売り上げの約半分が税金として飛んでいくと考えるをABN最高〜って気分になりますね。
ABNの注意点
実は期限がある
まず、ABNは取得してから2年間使っていないとキャンセルせれてしまうそうです。簡単に申請できるとはいえ、自分で開業することが明確になってから申請する方がいいと思います。
スーパーアニュエーションの負担
そしてABNを使って働くと雇われていた時と違ってスーパーアニュエーション(年金)を自分で積み立てる必要があります。
また仕事中に事故にあっても治療費などを自分で背負うことになります。
会社員やアルバイトとして働いていればそこは会社がカバーしてくれますが、独立して働くならそこも自分でやっていくということです。
そして仕事探しをしているみなさんは面接時に「ABNで働かないかい?」と求められたら、条件などを詳しく聞いてその企業が様子のおかしい企業かをちゃんと見極めるようにして下さい。
なぜなら様子のおかしい企業は、ちょっとズルするためにみなさんにABNで働いてもらおうと考えているからです。
オーストラリアでは人件費が高く(時給が高いワーイワーイ)、さらに企業は雇っている従業員に対してスーパーアニュエーションをその従業員のお給料の9.25%の金額を払い積み立てなければいけません。企業にとってはなかなかの出費ですね。
そこで従業員にABNを取得させ、フリーランスとして雇い、スーパーアニュエーションを自分で払わせて最低賃金も払わないと考えているのです。
タックスについて
例えばABNを取得して、唐揚げ屋さんをマーケットに出してみたとします。(私の夢です)
人気が出てすごく売れて、年間の収益が$75,000を超えるとGST登録というのが義務づけられます。(GST=Good and Services Taxです)
ちょっと難しいですが、商売が波に乗ってきて年収が$75,000を超えたらなにか税金の登録をしなきゃってことです。
うっかり登録わすれてた〜って場合でも怠ると罰則の対象になるので気をつけて下さい。
またタックスリターンについても注意点があります。例え自分のビジネスをはじめなかったり、収入がなかったりしても、ABNを取得したことによりタックスリターンの申告をしていないと罰則を受ける対象となります。
最近、様子のおかしい企業によるABNの不正利用がなかなか多いのでATO(Australian Taxation office)もわりとよく監視しているんですよね。
まとめ
フードデリバリーの普及などもあり近年ではABNで働くことが以前より身近になっています。
オンラインで誰でも簡単にABNと申請・取得できる時代ですが、取得して働くことによってメリットや注意点がそれぞれありますので、きちんと自分のワークスタイル、状況、また開業前ならどういうビジネスにしていくかを見極めてから申請した方がいいでしょう。
そしてオーストラリアは罰則王国とも言えるほど違反に厳しいところがあるので、税金の払い忘れなどしないようにしてください。
それぞれの事業によって税金の状況も違うと思うので、気になることがあったら税理士さんなど専門の方に相談することをオススメします。